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鎌倉駅前のワタミで生まれた奇跡:Zen2.0誕生の舞台裏

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運命の1日3回遭遇事件

「これはちょっと1回飲みましょうよ」


三木康司さんと宍戸幹央さんの間で、不思議な現象が起きていました。朝の犬の散歩で偶然すれ違い、昼は渋谷のカフェでなぜか隣り合わせ、夜は鎌倉で再び目の前に現れる。そんな偶然の連続が週に2〜3回も続いたのです。


「これは天の啓示かもしれない」


そう感じた二人が、ついに腰を据えて話し合うことになったのが、2015年8月13日の夜。鎌倉駅前のワタミでした。


量子力学から禅へ:宍戸さんの探求の軌跡

高校時代から人間の意識、潜在意識の可能性に魅せられていた宍戸さん。学校教育と企業社会の在り方に感じるギャップを埋めるものとして、量子力学の研究に没頭していました。

IBMでITに携わった後、ベンチャー立ち上げに関わり、企業の人材育成に長年従事する中で、ある確信に至ります。


「東洋的な思想が、現代の組織課題を解決する鍵になる」


海外に学びに行く文脈が日本にもあるなら、むしろ日本で学んで海外に発信できないか。そんな想いで5年前に鎌倉に拠点を移した宍戸さんと、製造業のイノベーター育成に取り組んでいた三木さんの出会いは、必然だったのかもしれません。


『マインドフル・ワーク』という偶然の一致

三木さんがその頃読んでいたのは、NHK出版の『マインドフル・ワーク』という本でした。編集者の名前を見ると「松島」とあります。


「あれ、これって以前番組に出演してもらった松島さんの本だ」


この偶然が、運命的な4人の出会いへと導きます。三木さん、宍戸さん、松島さん、そして鈴木さん。鎌倉駅前のワタミで繰り広げられた、歴史に残る「妄想会議」の始まりでした。


駅前のワタミで生まれた「マインドフルシティ鎌倉」

宍戸さんは実は断食中で、お酒を飲んでいませんでした。それでも興奮した夜だったと振り返ります。


鎌倉全体をキャンパスとした市民大学、海外から学びに来る場を創りたいという宍戸さんの構想。製造業の現場で「内発的動機」の力を目の当たりにしていた三木さんの体験。二つの想いが重なった時、一つの言葉が生まれました。


「マインドフルシティ鎌倉」


最初は「クリエイティブシティ鎌倉」という案もありましたが、「それよりもマインドフルシティがいいんじゃないの?」「じゃあそれで」という自然な流れで決まったこの名前が、やがて世界的なムーブメントの礎となります。


Wisdom2.0への「オラオラ系」挑戦

「禅のほうがオリジンですよ」


そんな気持ちで2016年2月、サンフランシスコのWisdom2.0に乗り込んだ二人。しかし現実は予想以上に厳しいものでした。


「What? Kamakura? Where is it?」


3,000〜4,000人の参加者のうち、日本人は10名程度。禅という言葉は知っていても、それが日本のものだと知らない人がほとんど。鎌倉に至っては「どこそれ?」という反応でした。


それでも二人は確信していました。ここに、世界が求めているものがある、と。


2015年12月1日:妄想が現実になった瞬間

キックオフミーティングのホワイトボードに書かれた項目:

  • 山伏ツアー

  • 修験道

  • 建長寺での開催

  • 多様なスピーカー陣

  • お坊さんの参加


「8割ぐらい今回できたので、最初のインスピレーションと最初のミーティングが非常に重要なんだなって改めて分かりました」


三木さんの言葉通り、この日の「妄想」の大半が2017年9月の第1回Zen2.0で現実となったのです。


絶望の淵から生まれた新しい組織論

順風満帆に見えたZen2.0の準備ですが、2016年の年末には危機が訪れます。当初のメンバーの8割が去り、三木さんは一人で泣いていました。


「もうできない」


そんな時、宍戸さんが背中を優しくさすりながら言いました。


「大丈夫ですよ」


この絶望的な状況から生まれたのが、ホラクラシー組織運営という革新的なアプローチでした。ピラミッド型の従来組織ではなく、一人ひとりが内発的動機に従って動く組織づくり。


「これからの時代にとって必要な組織、チーム、コミュニティの動き方として、ホラクラシーは土台になる」


作務という修行:仕事を通じた自己変容

円覚寺で行われた画期的なワークショップ。座禅の後、畳の上にA4の紙を置いて「作務」(仕事のタスク)を視覚化し、参加者が自由に選べるようにしました。


会計、受付、スピーカーフォロー、会場運営...それぞれの作務を「自分の修行であり、バージョンアップにつながるもの」として捉える。この発想転換が、想像を超える成果を生み出しました。


プロ級の会場図面を作成する人、伊勢志摩サミットの音響を手がけた専門家、アメリカ人フォトグラファーによる緻密なパンフレット制作...


「管理型で『こういうのをお願いします』という形だと、それ通りもしくはそれ以下のことしか出ないケースがありながら、想像以上のことをみんなが動いてくれるような状況を感じて」


建長寺という「場の力」

760年の歴史を持つ建長寺。この神聖な空間での開催が、Zen2.0に特別な意味を与えました。


初日の朝、雨の中での般若心経から始まったイベント。台風が近づく不安をよそに、人々がワーッと集まってきました。


「般若心経が始まった時に、これはもうこのシナリオ通りに全て進むんだろうっていうのが直感して分かって」


困った時に天に叫ぶと翌週には解決している。奇跡が20連発で起きる。祈りの場、聖なる場所だからこそ生まれた数々の奇跡が、第1回Zen2.0を成功に導いたのです。


世界が注目する鎌倉からの発信

「日本の中で培ってきた今後の時代に向けて役立つことを、もっともっと自分たちも学び体感したら、海外の人とつながって発信していけたらな」


宍戸さんの言葉は、単なる文化の逆輸出を超えた深い意味を持っています。AIと人間が共存する時代に、1000年以上の歴史を持つ禅の叡智をどう活かすか。鎌倉から始まったこの挑戦は、今も続いています。


あなたの中にある「内発的動機」は何ですか?

二人の偶然の出会いから生まれたZen2.0の物語は、私たちに大切なことを教えてくれます。


真の創造は、外からの指示や型通りの思考パターンからは生まれません。自分の内なる声に耳を傾け、そこから湧き上がる「やりたいこと」に正直になった時、想像を超える力が発揮されるのです。


あなたの中にも、きっと眠っている「内発的動機」があるはずです。


この記事は、Zen2.0の共同創設者である三木康司さんと宍戸幹央さんが語った、2017年の対談記録をもとに作成されました。二人の出会いから第1回Zen2.0開催までの軌跡が、現在も続く「マインドフルな地球」への挑戦の原点を物語っています。



今年のZen2.0は鎌倉の街全体を寺院とした 〜Mindful City Kamakura Week〜

この秋、鎌倉の街全体を舞台にした新しい挑戦「Mindful City Kamakura Week」がはじまります。11月16日から22日の7日間、海や山、森や寺社仏閣といった鎌倉ならではの豊かな自然と歴史ある文化空間が、マインドフルネスを体験し表現する舞台へと姿を変えます。


テーマは「Spirituality in Nature」。Zen2.0で8年間育まれてきた精神を礎に、日常に寄り添う実践をさらに広げ、誰もが自らの感性を持ち寄って共に創るフェスティバルです。プログラムはワークショップや対話、伝統芸能やアート、食やビジネスの取り組みに至るまで幅広く、参加者自身が「出展者」として企画し実現できる開かれた仕組みとなっています。


個人・団体・企業を問わず参加可能で、出展募集は7月15日から9月15日まで受付予定です。自然と人が共鳴し合い、新しいマインドフルな都市の姿を描き出すこの一週間を、ぜひ一緒に紡いでいきましょう。イベント詳細は詳はこちらから。

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福井県でも11月にZenのイベントを開催

Mindful City Kamakura Week
Zen2.0

This event is organized by Zen2.0.

Zen2.0は、神奈川県鎌倉市で毎年開催されている禅とマインドフルネスの国際カンファレンスです。

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