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あなたの物語はどこから始まる? 宇宙、脳、そして鎌倉で見つける「本当の私」

(本ブログは、過去に登壇をいただいた、Zen2.0の登壇者の方々の講演記録から書き起こしをさせていただいております。)

2017年Zen2.0前野先生


今朝、コーヒーを飲みながら由比ガ浜を眺めているとき、ふと思いませんでしたか?「この景色を美しいと感じているのは、本当に『私』なのだろうか」と。


風の匂いを感じてふと散歩の道を変えたり、お気に入りのカフェで心が惹かれる一杯を選んだり。私たちの毎日は、そんな小さな選択の連続ですよね。その一つひとつを、確固たる「私」が丁寧に選んでいると信じています。でも、もしその感覚が、私たちの脳が紡ぎ出す、とても優しくて美しい物語だとしたら──。


鎌倉で繰り広げられてきた対話の中で、こんな不思議な発見がありました。2017年のZen2.0にご登壇された慶應義塾大学大学院の前野隆司先生が、科学と古の叡智を結びつけながら、私たちの意識の不思議を解き明かしてくださったのです。一緒に、その扉を開けてみませんか?


140億年の記憶が宿る、この鎌倉で

あなたは今、この文章を読みながら、どこにいますか?もしかしたら鎌倉の海辺で、もしかしたら静かなお寺の境内で、あるいは家の窓辺で。どこにいても、あなたの存在そのものが、140億年という途方もない旅の証人なのです。


前野先生は、この科学的な事実を、温かい言葉で私たちに伝えてくれました。


「140億年前には、私たちの、物質として作られている私たちの体の元は、すべてこの点に同じ場所にあったっていうことなんですよね。」


考えてみてください。あなたの手のひらも、隣にいる人の微笑みも、そして今あなたが感じている鎌倉の風も、すべて同じ一点から生まれたのです。そこには「私」も「あなた」もありませんでした。この視点に立つとき、日々私たちを悩ませる違いや隔たりが、ほんの束の間の出来事のように感じられませんか?


私たちは元は一つだった。その大いなる記憶の片鱗が、鎌倉の浜辺で寄せては返す波音や、竹林で交わされる風の対話の中に、今も息づいているのかもしれませんね。


脳が私たちに贈る、愛おしい物語

では、なぜ私たちはこれほどまでに強く「自分が選んでいる」と感じるのでしょう?前野先生の研究が明かすその答えは、私たちが思っている以上に愛らしいものでした。


「(指を)曲げようと意識する0.35秒ぐらい前に、無意識に決めるということが決まっていたんです。」


つまり、「私が決めた!」という感覚は、実は無意識という大きなシステムが下した決定を、後から「うん、そうしたかったんだ」と受け取る、優しい体験だったのです。


前野先生はこれを、会社に例えてこんな風に表現します。


「意識っていうのは、会社の活動を記録して、後で参照できるようにしている『社史編纂室』みたいなもの。決定を下しているのは、現場の無数の社員たち(無意識の小人たち)なんです。」


私たちは自分をすべてを采配するCEOだと思っていましたが、もしかしたら、私たちの内で起こる無数の出来事を愛おしく見つめ、一つの美しい物語として紡ぐストーリーテラーなのかもしれません。なんだか、少しホッとしませんか?


「私」を手放すとき、世界が広がる

「自由意志は幻想だ」と聞くと、最初は少し戸惑うかもしれません。でも前野先生は、これをとても希望に満ちた発見として私たちに示してくれます。


「『お前はすでに死んでいる』って漫画がありましたけど、私たちはすでに死んでいる。死んでいるのに、たまま人間の心を持って今ここに生きている。そう思うと、何も怖くないですよね。」


「私」がすべてをコントロールしなくてはならない、という重い肩の荷を下ろしてみること。それは、人生の流れに身を委ね、もっと大きな何かを信頼してみるということです。


「私が、私が」という小さな声が静まると、そこには何があるでしょう?ただここに生かされていることへの穏やかな感謝、そして、ありのままの世界との深い調和が広がります。それは、この鎌倉の地で何百年も語り継がれてきた「無我」の境地とも、やさしく手を繋いでいるのです。


体験へのお誘い

140億年前の宇宙の一点から、私たちの脳内で起こる0.35秒のドラマまで。前野先生との対話は、頭で理解するだけでなく、心で感じる冒険へと私たちを誘ってくれました。


でも、この発見の本当の面白さは、思考の中だけにあるのでしょうか?


もしかしたら、その答えは、鎌倉の石段を一歩一歩踏みしめる足音や、お寺の庭で頬に触れる風の感触、そして、この街で出会う人々との何気ない会話の中にこそ、隠れているのかもしれません。


今回のような探求の対話は、私たちのYouTubeチャンネルでいつでもご覧いただけます。時代を超えた叡智と今を生きる私たちの問いを結びつける対話を続けていますので、よろしければチャンネル登録でご一緒ください。 https://www.youtube.com/@zen2.098


そして、もしあなたが「頭で分かる」から「体で感じる」へと、この探求を深めてみたくなったなら。この秋、鎌倉全体を舞台にした 「Mindful City Kamakura Week」 で、お待ちしています。自分、自然、そして出会う人々との繋がりを、五感で再発見する特別な一週間です。



今年のZen2.0は鎌倉の街全体を寺院とした 

〜Mindful City Kamakura Week〜


この秋、鎌倉の街全体を舞台にした新しい挑戦「Mindful City Kamakura Week」がはじまります。11月16日から22日の7日間、海や山、森や寺社仏閣といった鎌倉ならではの豊かな自然と歴史ある文化空間が、マインドフルネスを体験し表現する舞台へと姿を変えます。


テーマは「Spirituality in Nature」。Zen2.0で8年間育まれてきた精神を礎に、日常に寄り添う実践をさらに広げ、誰もが自らの感性を持ち寄って共に創るフェスティバルです。プログラムはワークショップや対話、伝統芸能やアート、食やビジネスの取り組みに至るまで幅広く、参加者自身が「出展者」として企画し実現できる開かれた仕組みとなっています。


個人・団体・企業を問わず参加可能で、出展募集は7月15日から9月15日まで受付予定です。自然と人が共鳴し合い、新しいマインドフルな都市の姿を描き出すこの一週間を、ぜひ一緒に紡いでいきましょう。イベント詳細は詳はこちらから。


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福井県でも11月にZenのイベントを開催

Mindful City Kamakura Week
Zen2.0

This event is organized by Zen2.0.

Zen2.0は、神奈川県鎌倉市で毎年開催されている禅とマインドフルネスの国際カンファレンスです。

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