渋谷から鎌倉へ:一人の起業家が見つけた「内発的動機」という答え
- 2025年9月10日
- 読了時間: 5分

感覚を閉ざす東京、感覚を開く鎌倉
「このワークショップの質問は、なぜこんなにも違うのだろう?」
三木康司さんが、同じ内容のワークショップを東京と鎌倉で開催した時、参加者の反応の違いに驚愕しました。東京では大手企業の経営企画担当者たちが「型通りの思考パターン」で情報収集に終始していたのに対し、鎌倉では自分の内なる動機から生まれた「自分ごと」の質問が次々と生まれていたのです。
この体験が、株式会社enmonoを渋谷から鎌倉へ移転させる決定的な瞬間となりました。
145名のイノベーターが証明した「イケてない系」の創造力
9年間にわたり製造業のイノベーター育成に携わってきた三木さんが発見したのは、驚くべき事実でした。
「ぶっ飛んだ発想」で従来のビジネスを全く異なる形に変革させる人たちは、青山や六本木の「キラキラした場所」にいる若者たちではありませんでした。地方の工場や飲食店で、地道にものづくりや料理に打ち込む「いわゆるイケてない」人たちだったのです。
彼らの共通点は何か?それは外部の情報ではなく、自分の内なる内発的動機にアクセスする能力でした。
マインドフルシティ鎌倉:4つのコンセプトが描く未来
2017年から始まったZen2.0カンファレンスのキーコンセプトとして生まれた「マインドフルシティ」。これは、禅やマインドフルネスに惹きつけられた世界中のクリエイティブな人たちが鎌倉に集まり、新たなビジネスを生み出すという壮大な構想です。
その基盤となる4つのコンセプト:
1. 持続可能な豊かな自然
海と山に抱かれた鎌倉で、サーフィンやトレイルランニングを通じて感覚を自然に開く環境
2. 慈悲・慈愛に満ちたコミュニティ
Zen2.0をきっかけに生まれた瞑想会や対話の場が、互いに癒し合うコミュニティを形成
3. 人間の意識のアップグレード・テクノロジー
材木座に本社を置くVIE STYLEの「ZONE」など、脳波測定と音楽を組み合わせたトランステック企業の集積
4. マインドフルな経済システム
「自分の本当にやりたいこと」に目覚めた個人事業主や中小企業が蜘蛛の巣のように連携する、新しい産業システム
鎌倉がマインドフルシティたる6つの理由
三木さんが見出した鎌倉の独特な魅力:
1. スタートアップインフラの充実 カヤック社が推進する「まちの社員食堂」「まちの保育園」、そして超高速インターネット回線の整備
2. 感覚を開かせる豊かな自然 12年間の鎌倉生活で、左脳偏重から本来の自分へと変化した体験
3. 神社・寺・教会とマインドフルコミュニティ 3.11鎌倉宗教者会議に象徴される、宗教を超えたつながりの文化
4. コンパクトシティの多様性 仏師からハードウェアスタートアップ、スピリチュアルヒーラーまで、自転車移動圏内に集まる多彩な才能
5. 鎌倉市民コミュニティ「カマコン」 街を良くしたい想いが形になる、対話とブレインストーミングの場
6. マインドフル・ビジネス企業の集積 人の心に気づきを与える事業を展開する企業群の自然な集結
「モノ→金融・IT→ココロ」:次なる産業革命への洞察
2015年、三木さんは大胆な予測を立てました。日本の産業の流れが「モノ(製造業)」から「金融・IT」へ、そしてその先にある「ココロ(人間の心の変容)」へと向かうという洞察です。
当時「まゆつば」と言われたこの予測は、2019年に米国で発表されたトランステック市場規模330兆円という数字によって現実味を帯びてきました。
スタンフォード大学が学びに来た街
2019年3月、スタンフォード大学のスティーブン・マーフィー重松教授と学生7名が1週間鎌倉に滞在し、「マインドフルシティ鎌倉」を学びました。ANAの協賛を得たこのプログラムでは、茶道体験、坐禅体験、そして鎌倉市長との対話まで実現。
海外の知的エリートたちが注目する鎌倉の可能性を、改めて浮き彫りにする出来事となりました。
古代の叡智と現代テクノロジーの融合
「伝統に裏打ちされた叡智があって初めてテクノロジーのレバレッジが効く」
鎌倉の神道は1000年以上、仏教は800年近くの歴史を持ちます。この長い年月をかけて体系化された意識変容の技法に、インターネットやAIなどのテクノロジーを組み合わせる。それが鎌倉発の「マインドフル・ビジネス」の真髄です。
あなたの内なる声は、何を求めていますか?
三木さんの物語は、一人の起業家の移住記録を超えて、私たちが直面する現代の課題への示唆に満ちています。
外発的動機に支配された東京のノイズの中で、あなたは自分の内なる声を聞けているでしょうか?
鎌倉という古都で静かに進行している実験は、「マインドフルな地球」を創造するための新しいモデルかもしれません。
今年のZen2.0は鎌倉の街全体を寺院とした 〜Mindful City Kamakura Week〜
この秋、鎌倉の街全体を舞台にした新しい挑戦「Mindful City Kamakura Week」がはじまります。11月16日から22日の7日間、海や山、森や寺社仏閣といった鎌倉ならではの豊かな自然と歴史ある文化空間が、マインドフルネスを体験し表現する舞台へと姿を変えます。
テーマは「Spirituality in Nature」。Zen2.0で8年間育まれてきた精神を礎に、日常に寄り添う実践をさらに広げ、誰もが自らの感性を持ち寄って共に創るフェスティバルです。プログラムはワークショップや対話、伝統芸能やアート、食やビジネスの取り組みに至るまで幅広く、参加者自身が「出展者」として企画し実現できる開かれた仕組みとなっています。
個人・団体・企業を問わず参加可能で、出展募集は7月15日から9月15日まで受付予定です。自然と人が共鳴し合い、新しいマインドフルな都市の姿を描き出すこの一週間を、ぜひ一緒に紡いでいきましょう。イベント詳細は詳はこちらから。

この記事は、Zen2.0コミュニティの一員として鎌倉でマインドフル・ビジネスの可能性を探求し続ける三木康司さんの体験をもとに作成されました。





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